Silberhorn社が提供するシステムと技術は、各種部品のバリ、油分、グリースその他の汚染物質を除去するもので、これらを機械加工する企業の製造プロセスにとって不可欠な要素となっています。同社は幅広く標準的な洗浄ソリューションを提供していますが、開発したシステムの多くは、個々の顧客やアプリケーションに合わせるべく、特定の要件を満たすようにカスタマイズされた製品となっています。初期分析を詳細に行い、要件を明確にいた上で、Silberhorn社は最も適切なプロセスソリューションを提案します。アプリケーションに応じてシステム構成を変更し、動作圧力も大きく異なります。圧力は通常100 barから1800 barの範囲となります。
スチール製部品とアルミニウム製部品の両方を加工しているお客様がいるのですが、各材料でできた部品を同じように洗浄できるシステムを必要としていましたが、それ自体があまり一般的ではなく、特殊な案件でした。さらに、洗浄対象となるさまざまな種類の部品に対応できるような柔軟性の高いシステムを求めていました。つまり、洗浄対象をある部品から種類の異なる部品に変更する際、大幅に変更を加えたりセットアップをすることなく、各種各様の部品を洗浄できるシステムを設計する必要がありました。
当初、3種類の部品を対象とするシステムを予定していました。しかし、将来的に他のさまざまな種類の部品にも対応できるような柔軟性に富んだシステムが求められました。当初洗浄対象とされたスチール製部品の重量は最大7㎏、アルミニウム製部品はこれよりやや重く最大10㎏でした。部品の長さは最大約800mm、幅は600mmとなります。
この特殊なアプリケーションのためにSilberhorn社が考え出したソリューションは、ロボットと連続洗浄システムを組み合わせることでした。このシステムでは、その洗浄方法も独特でした。通常、部品を保持し、これを洗浄ユニットにさらして洗浄するのですが、このシステムでは、セル内の2台のロボットが異なる洗浄機器を持って動作し、部品ががシステム内を通過することで洗浄することができるのです。
ストーブリの特殊なツールチェンジャーを使用することでこのシステムは実現することができました。ロボットの汎用性がさらに高まり、ロボット1台につき5種類の洗浄ツールから選んで使用することができるようになりました。システム内の第1ロボットは現在、変更することなく1種類のツールを使用しています。第2ロボットは、その洗浄サイクルにおいて常に2種類の異なるツールにアクセスできる状態にあります。ロボットが洗浄ツールを使用していない時、ツールはロボット上部に収納され、ツール自体が汚れないように保護されます。
ストーブリのツールチェンジャーが作動する環境は非常に厳しいため、通常と異なる素材を使用したり、特殊なコーティングを施したりと革新的なアプローチが必要でした。ウェットエリアには電子センサーががないため、システムはロボットがツールを使用しているかどうか、また、使用している場合、どのツールを使用しているかを圧力ラインを介して認識しています。圧力がかかっていない場合、空気圧モジュールは外部圧力センサーに「チェンジャーにツールがありません」と信号を送ります。圧力がかかっている場合、システムは圧力差によって現在使用されているツールが何なのかを認識することができます。
このプロジェクトの初期段階から、ストーブリはSilberhorn社を訪れ、自動ツールチェンジャーのサンプルを持って議論を開始し、ツールチェンジャーシステムがどのように動作するかのデモンストレーションを行いました。設計段階にいたっては、ストーブリはSilberhorn社と緊密に連携して、アプリケーションと過酷な動作環境に関連する技術的課題を特定し、これを解決しました。その結果、エンドユーザーのプロセス要件と柔軟性の両方の要件を満たす頑丈なシステムが実現しました。
ドイツに本拠を置くSilberhorn Maschinenbau GmbHは、工業用部品洗浄および高圧ウォータージェットでのバリ取りシステムの設計、開発、製造を専門としています。Silberhorn Groupの一部であり、約200人の従業員を擁するこの中規模企業は、チャンバー洗浄システム、連続システム、ロボットセルなどを含む包括的な水性洗浄システムを提供しています。同社は、35年以上にわたり、世界中に名の知れた顧客に対して、革新的な水性洗浄およびバリ取りシステムを提供しています。
Stefan Pollinger - プロセスエンジニア - Silberhorn社